指原莉乃ソロデビュー曲『それでも好きだよ』から指原作詞『あの子コンプレックス』への恋愛ソングの昇華

指原莉乃さんは2012年、『週刊文春』での熱愛報道を受ける1カ月前に秋元康氏作曲『それでも好きだよ』でソロデビューをしている。昨日の記事でも意見を述べたが、ソロデビューといっても指原さんは、48グループ屈指の歌唱力を持つ山本彩さんや大島優子さんほど上手く歌えない。AKB48やHKT48グループ曲ではアイドルとしての歌唱力はあるものの、ソロコンサートでの歌を聴くと声質が少しきついくらいだ。

2015年『AKB48紅白対抗歌合戦』で指原さんは山本彩センターの『365日の紙飛行機』をメンバーとともに歌い、審査員・前田敦子さんに評価されなかったエピソードもある。

そんな指原さんに捧げられた『それでも好きだよ』は四分音符(♩)、八分音符(♪)、付点四分音符、二分音符という単純な音型のみで作曲。また歌詞の各節の入りは毎回四分音符、八分音符。以下3つの入りがそれに該当する。

1. 「気づいてるかな」の「気づ」:四分音符、小節3拍目から入る
2. 「あなたを見つめている」の「あな」:四分音符、小節3拍目から入る
3. 「グループの中では」の「グル」:四分音符、小節3拍目から入る

サビ「それでも好きだよ」の入りは小節4拍目裏から入る。歌が上手くない人でも2回通して歌う練習をすれば入りを間違えずに歌えるレベルの曲だ。

指原さんが作詞、高橋涼さんが作曲を手がけた2022年発売の=LOVE楽曲『あの子コンプレックス』は2012年の『それでも好きだよ』とは音符並びが対照的だ。『あの子コンプレックス』の入りは「沈む船は戻らない」、「今日も欠けた月を満たすように 優しく」など例外も少ないながらあるが、大半が複雑な八分音符の裏拍や十六分音符の裏拍で始まる。

それぞれのフレーズの入りが表拍なのか裏拍なのか、どのように楽譜が成り立っているのかを考えると『それでも好きだよ』と『あの子コンプレックス』を歌う難易度には大きな差がある。『あの子コンプレックス』を歌っているのは選ばれし=LOVEメンバーで、野口衣織さんを中心に彼女たちの歌が上手すぎることはよく語られている。

2曲とも指原さんが大きく関与した曲で、自分の中に外見としての可愛さや恋愛偏差値にコンプレックスを感じていることが表現されている。

『あの子コンプレックス』を聴けば、指原さんという=LOVEを作った張本人がどれだけメンバーに期待を寄せているかが伝わってくる。指原さんは『AKB48・41stシングル選抜総選挙』で「AKBグループの中でもかなり特殊な存在です」と自分を説明しながら、指原莉乃にしかできないアイドル性をブランド化することに成功し、HKT48卒業後はプロデュース力を活かし=LOVEの育成に励んでいる。

歌唱力の面でも"イコラブちゃん"たちは指原さんやファンの期待についてそれ以上に答え、イコラブらしさを貪欲に求め、「可愛いだけじゃない」アイドルの常識を覆し続ける。

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