『進撃の巨人』地図が確認可能な漫画巻数&アニメ話数【3巻】
諫山創先生の漫画『進撃の巨人』第3巻は、2010年12月9日に発売されました。
3巻は特別編1本と本編4話で構成されています。
この記事では、漫画3巻全199頁(=特別編、10話、11話、12話、13話)と、それに沿って制作されたアニメ第1期第9話「左腕の行方~トロスト区攻防戦5~」から1期12話「傷~トロスト区攻防戦8~」までの内容を説明します。
アニメの話数と分・秒の位置はNetflixを参考にしています。
・漫画3巻特別編「リヴァイ兵士長」第1~23頁「今から100年以上前 人類はある″天敵″の出現により絶滅の危機を迎えた」~23頁「現在公開可能な情報」の「大部隊が移動する順路を作成する。」/アニメ1期9話「左腕の行方~トロスト区攻防戦~」-23分54秒~-15分51秒
→漫画2巻9話「心臓の鼓動が聞こえる」の最後では、850年の世界が描写された。そこから「100年以上前」、つまり750年以前のお話が3巻の特別編で展開される。
特別編では、750年以前、崖のある鬱蒼とした森で巨人が到来した場面と、845年にウォール・マリアのシガンシナ区に巨人が現れた場面(1巻1話「二千年後の君へ」~2話「その日」のおさらい)、850年の調査兵団の様子が確認できる。3巻特別編6~7頁は見開きで、森の中にいる5体の巨人が人間の3人家族をじっとりと覗き込んでいる。
少し戻って、2巻9話が始まる前のページには、「現在公開可能な情報」として巨人の体格差の図説が掲載されている。3巻最終話=3巻13話終了時点で、一番小さい巨人は3~4m級、1巻でシガンシナ区に出現した超大型巨人は約60mだ。3巻特別編6~7頁の巨人は人間の2倍、大きい巨人は体積的に10倍以上ありそう。一番右にいる黒髪ロングの巨人が、この中では一番大きい。
また、3巻特別編10頁からは850年の壁の中が描写されている。調査兵団団長のエルヴィン・スミス(声優 小野大輔さん)、リヴァイ兵士長/リヴァイ兵長/リヴァイ・アッカーマン(神谷浩史さん)、ハンジ・ゾエ(朴ろ美さん)ら団員が馬に乗って壁外調査に向かう。1~2巻では超大型巨人が壁に現れたため人類は逃げるので必死だった。
ただ、3巻10~11頁ではまだギリギリ巨人が出現していなかったため、街の建物の窓から人々が顔を出してエルヴィンらを見送っており、最後の「普通の」暮らしが読み取れる。
しかし、その数時間後、12頁2コマ目に同巻6頁右端にいた首筋~お腹にかけて腹筋割れした巨人と似ている巨人が男性兵士を口にくわえていた。この2体の巨人が同一人物ではない可能性もあるし、750年以前に生息していた巨人が850年まで生き残っていた可能性も考えられる。
3巻12頁にある街並みと、1~2巻&3巻10頁&3巻10話の街並みは少し違う。前者は木でできた家でかつ、屋根も窓の形も違う。トロスト区にある後者の建物は兵舎だからなのか、統一感のあるまっすぐなそれだ。アニメ1期9話-21分42秒で、上空から見たウォール・ローゼのトロスト区全体が見られる。同じシーンの漫画版には、ここまで細かく描かれていない。
アニメ1期9話-2分17~16秒でも一瞬、トロスト区ほぼ全体の風景が確認できる。壁内部から空に向かう白い煙(煙弾と予想)が立ち上る。そのすぐあとにエレン巨人が出現する。
・3巻10話「左腕の行方」42頁「ゴォォォォォォォォォ。ヒォォォォォォォォォォ」 ミカサ・アッカーマン「・・・・・・・・・エレン!!」 エレン・イェーガー「・・・・・・!?」 アルミン・アルレルト「エレン!ちゃんと体は動くか?意識は正常か?知ってることを全部話すんだ。きっと分かってもらえる!」~/1期9話「左腕の行方~トロスト区攻防戦5~」-12分10秒~
→850年、おそらくウォール・ローゼのトロスト区。エレン・イェーガー(梶裕貴さん)が2巻7話「小さな刃」100頁1コマ目で巨人としてミカサ・アッカーマン(石川由依さん)の前に現れ、道の反対側を歩いてきた、お腹の面積が大きいたれ眉巨人から彼女を助ける。その後も巨人のまま、他の巨人を駆逐しようとする。
3巻10話41頁以降では、エレンが人間に戻ってからの最初のシーンが描かれる。立体機動装置と超硬質ブレードを身に着けた兵士らが円になって壁の端にエレンを追いやって囲み、アルミン・アルレルト(井上麻里奈さん)が彼の肩を支え、ミカサがその近くで立っている。壁の周辺には3階建ての建物が複数見えるが、エレンが目覚めた場所は人間が走り回れるほどの広さがある。
44頁1コマ目で、ほぼ真っすぐな1本の川が、ウォール・シーナのエルミハ区からトロスト区を通ってウォール・マリアのシガンシナ区に向かって流れている全体を上空側から確認できる。45頁の1コマ目では兵士から見たエレン、アルミン、ミカサが小さく描かれていて、地面もただの地面、壁もただの壁で何もない。アルミンが両目から涙を流してエレンのことを本気で心配する。
66頁2コマ目では、エレンらのいる場所が川のすぐ横であることが読み取れる。68~69頁で兵士たちが「うああああああ」と叫びを上げ、先程とはビジュアルが全く異なる骨と筋肉だけのエレン巨人が出現。胸部に人間のミカサとアルミンが入っていて、ふたりとも青ざめている。
このエレン巨人は、遠目で見れば、20巻80話「名も無き兵士」56頁の「オイ!!ウスノロ!!その目ん玉ぶっ潰してやる!!」と言われる超大型巨人に似ている気がする。
21巻85話「地下室」105頁で、アルミン「瀕死の僕と瀕死のエルヴィン団長。どちらに注射を使うか・・・揉めた後僕が・・・巨人になってベルトルトを食った・・・」とあり、34巻138話「長い夢」148頁でアルミン巨人が現れる。2巻7話~のエレン巨人とアルミン巨人を比べると、ほっそりとした骨格とくっきりな体型が似ている。20巻82話「勇者」173頁のアルミン「海を──見てくれる」と、187頁のエレンが「お前が誰よりも・・・勇敢なことぐらい・・・」と言う、焦げてしまったアルミン~21巻84話「白夜」84頁のアルミンにも、遠目で見ると似ているような。
・3巻11話「応える」70~74頁「オオオオオオオオオオオオオ。しっかり銛に張り付いてやがる。巨人自体で肉の防護壁を作るとは技術班も考えたな・・・」/1期9話「左腕の行方~トロスト区攻防戦5~」-9分54秒~
→850年、トロスト区。3巻10話でエレン巨人が出現し、11話1コマ目に25体の巨人が、壁の上から吊るされた仕掛けの網と銛に引っかかっている。71頁3コマ目でハンネス隊長(藤原啓治さん)が、「ここが人類と巨人の最前線であり崖っぷちなのだからな・・・」と男性兵士に話しかける。彼らは巨人が銛に張り付いているのを壁の一番上から眺める。
73頁3コマ目では、壁の一番上に立つ人間から見たトロスト区内の4階建ての建物が描かれている。壁の一番上に配置された複数の大砲が、どのようにしてここまで高い所まで持ってこれたのかが気になるところ。73頁の建物の屋根には複数の兵士が立っていて、高所恐怖症の私にとってはこれもすごいこと。斜めの屋根に何もつかまらない状態で立てない。
74~75頁に入ると、建物の前の階段にコニー・スプリンガー(下野紘さん)が座り込んでいて、クリスタ・レンズ(三上枝織さん)らにガス補給について絶望的に説明する。いまここにいない104期兵、エレン、ミカサ、アルミンのことを心配するが、ジャン・キルシュタイン(谷山紀章さん)も視線を落として「オレ達には守秘義務が課せられた」「すぐに人類全体に知れ渡るだろう・・・」と発言している。
守秘義務とは、ジャンたちが2巻9話180~181頁で巨人の正体がエレンであったことをいまは隠すこと。このときコニー、クリスタ、「そばかす」(2期27話以降の名前はユミル。声優 藤田咲さん)はいなかったが、それを目の当たりにしたジャン、ライナー、ベルトルト、アニは青ざめた様子。
・3巻11話「応える」92~94頁アルミン「最短時間で砲弾が装てんされたとしてあと20秒ほどかかるだろうか・・・。エレンはそれ以内に行動してここから去っていくだろう・・・」/1期10話「応える~トロスト区攻防戦6~」-13分36秒~12分41秒
→漫画では、850年現在のアルミンの頭の中と、835~845年のどこか、小さかった頃の回想が1コマごとに入り乱れる。アルミンの頭脳明晰なところと頭の回転の速さが分かるシーン。3巻11話88~91頁で巨人から人間に戻ったエレンが「壁を越えて地下室を目指す・・・。もう一度巨人になってからな・・・」と言い、ミカサも「私も行く」と答える。2人を見てアルミンは自分が「臆病者」だと考えていて、エレンとミカサに守られてきた過去をも思い出す。
この時期、アルミンは自分の長所が分からず、エレンとミカサあっての自分だと自己肯定感低く考えていた。しかし1巻4話179~180頁でアルミンは「この世界の大半は『海』っていう水で覆われているんだって!!」「いつか・・・外の世界を探検できるといいね・・・」と夢を膨らませ、この夢がエレンの21巻84話「白夜」77頁のせりふ、「でもこいつは違うんです・・・。アルミンは戦うだけじゃない。夢を見ている!!」に繋がる。
22巻90話「壁の向こう側へ」174頁以降は、「一度目の『超大型巨人』襲来から6年」とあることから851年を描いている。調査兵団のリヴァイ、ハンジ、エレン、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャらはウォール・マリア外への壁外調査として外に出て、人生で初めて海を見る。180~181頁の見開きで壮大な海の世界が描かれ、アルミンは涙を目に浮かべながら、「言っただろエレン。商人が一生かけても取り尽くせないほどの巨大な潮の湖があるって・・・」(184頁)と話す。このせりふは1巻4話179~180頁とほぼ同じもの。
・3巻12話「偶像」111~116頁「調査兵団の報告によると巨人は南から現れるとされていた。実際にかつて巨人が突破してきたのはウォール・マリアの南に位置するシガンシナ区・・・僕達3人が住んでた街だ・・・。なので次に狙われる可能性が最も高いとされていたのはシガンシナ区に最も近いここ トロスト区だった」/1期10話「応える~トロスト区攻防戦6~」-5分47秒~3分9秒
→ドット・ピクシス/ピクシス司令(田中正彦さん)は、アニメ1期5話-16分51秒~でバルト侯(高口公介さん)と一緒にいるシーンで初登場。漫画での初登場は3巻11話「応える」108~109頁なので、初登場の場面が少し違う。そして、3巻12話冒頭の111頁1~2コマ目で3つの壁の図が概観でき、トロスト区とシガンシナ区の位置まで描かれている。ちなみに、3巻時点では出てきていないウォール・シーナの王都は13巻51話「リヴァイ班」から18巻72話「奪還作戦の夜」あたりまでで中心的に描写される。
ピクシス司令は漫画で、ウォール・シーナ「トロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者」と説明される。彼は坊主で髭を鼻の下から左右斜めに伸ばしたおじいさんで、超絶美女が大好き。
3巻112頁2コマ目でもトロスト区内門の壁を急角度に見下ろした状態で確認でき、小さく見えるものの巨人が計37体壁の近くに立っている。114頁1コマではピクシス司令、エレン、ミカサ、アルミンがその壁の一番上にいる。116頁1コマ目でアルミンが、ピクシスにトロスト区の穴を大岩で塞げられる可能性を説明しており、2巻5話「絶望の中で鈍く光る」8頁にも出てきた大岩が川側を手前にした状態で見られる。
2巻5話8頁と3巻12話116頁とでは、大岩の数と周りの建物の建ち方、ベンチの有無が異なる。同じ場所を描いていると思うが、物語の進み方的にこうしておきたい、と変更したことが推察される。諫山先生の描く漫画は終始上手いけれど、私は、3巻12話117頁3コマ目のピクシス司令が特に好きだ。
アニメ1期11話「偶像~トロスト区攻防戦7~」-21分21秒~では、トロスト区全体を上空から眺めるように見下ろせる。このシーンは漫画版にはない。
-20分10秒~で一見すると細く長い煙(煙弾)が6本出ている。-20分4秒からはトロスト区の街と壁外の景色を見ることができる。-19分7秒時点でダズ(田久保修平さん)がマルコ・ボット(逢坂良太さん)の横で、トロスト区奪還作戦が始まるのをものすごく嫌がっていて、それを男性の上官が発見。ダズが「やめろ 離せ!くっ!」と抵抗するシーンで、壁内部の広場に大量の人類が動揺している。
・3巻12話「偶像」125頁「オホン。注!!もおおおおおおく!!」~141頁/1期11話-17分6秒~ピクシス「ああ...お主もやるか?」エレン「頂戴します。んっ!」~1期11話-9分43秒
→850年、トロスト区の壁の上。ピクシス司令がエレンを連れて、近くにハンネスもいる状況でトロスト区奪還作戦の説明を声を張って行う。このシーンの直前、漫画にはないのだが、ピクシスが左胸ポケットに入れていた丸い銀色の瓶の液体をくいっと飲む。その瓶をエレンにも渡し、彼が勢いよく飲むと苦しそうにワイン色の液体を吹き出す。
この液体を飲む場面は、27巻108話「正論」51~57頁で憲兵団の男性6名がワインを飲むシーンに始まり、28巻111話「森の子ら」25頁~112話「無知」64頁の種明かし、28巻113話「暴悪」97~103頁のピクシスとリヴァイたち、29巻118話「騙し討ち」163頁のピクシス「まだボケてはおらんぞ。ただ・・・飲みすぎてしもうての・・・」、31巻124話「氷解」87~88頁のアルミン「ここまで僕達を導いてくれたのはあなたです」までのストーリーと結びつけられるような。
アニメ1期11話-16分15秒~では、再度トロスト区全体の確認が可能だ。3巻12話130頁3コマ目で、トロスト区の図解も見られる。トロスト区の壁の穴はエレン巨人が大岩をそこまで運んで塞ぐこととなるが、その間壁の内部にいる巨人は、エレンの行動を邪魔しないよう、兵士たちに意識を向かわせながら行う必要がある。140~141頁の見開きではピクシスの叫び声とともに、彼の説明を聞く兵士が動揺する様子が遠くから伝わってくる。
付け加えると、140~141頁のピクシスの言葉「我々はこれより奥の壁で死んではならん!!どうかここで──ここで死んでくれ!!」は、20巻80話「名も無き兵士」92~93頁のエルヴィン団長「我々はここで死に次の生者に意味を託す!!」に考え方が通じていると感じる。
・3巻12話142頁「タッタッタッタッタッタッタッ」ミカサ「エレン・・・体は大丈夫・・・!?」~155頁/1期11話「偶像~トロスト区攻防戦7~」-3分35秒~1分34秒
→850年、トロスト区の壁の一番上。壁の上をエレン、ミカサ、リコ・ブレツェンスカ(鷄冠井美智子さん)、イアン・ディートリッヒ(村上裕哉さん)ら、つまり精鋭班の班員が、エレン巨人化の場所まで走って向かっている。壁の上を走っているので、街内部と壁の外の木々が生い茂っているさまのどちらも確認可能。
漫画でもよいのだが、アニメ1期11話-3分10秒から-2分23秒まで、エレンが壁を飛び降り建物と建物の間を立体起動装置ありですり抜け、大岩のすぐ上で巨人化するシーンは見てほしい。こういう見ごたえのある場面は監督の方が担当されているのだろうな。
・3巻13話「傷」157~166頁「何とか大部分の巨人を街の隅に集めることに成功しましたが極力 戦闘を避けたにも拘わらず約2割の兵を失いました・・・」/1期12話-20分21秒~17分45秒
→850年、トロスト区の壁の一番上に、3巻では最大人数の兵士が立って巨人をおびき寄せる。多くの死傷者が出ているなか、エレン巨人が大岩を持とうとせず、ミカサを心配させている。160頁1コマ目を見れば、地面に置かれた大岩の高さが15m級のエレン巨人の3分の2くらいであることが分かる。体積的にはエレンより大きそう。166頁1コマ目でピクシス司令たちが壁の上から遠くにいるエレン巨人を見守る。
・3巻13話「傷」179頁エレン「ん・・・?何だ・・・ウチか・・・。ふぁ~あ・・・寝よ・・・」~195頁/1期12話-11分20秒~6分21秒
→850年、トロスト区の大岩によたれかかって寝ているエレン巨人は、844年と推定されるシガンシナ区にあるエレンの実家での回想を夢に見る。エレンはミカサの両親が亡くなったあと彼女を家族に迎え入れ、4人で暮らし始める。エレンは、木でできた台所に立つミカサとエレンの母カルラ・イェーガー(鷹森淑乃さん)と、机で何かを書いているエレン父 グリシャ・イェーガー(土田大さん)をぼやんと見ている。
その後また寝ようとするものの、3巻13話最終ページの195頁の1~3コマ目で、850年現在のアルミンがエレン家の窓を必死に叩く。850年のアルミンと850年のエレン、844年のエレンとその家族が同時に存在する不思議な空間である。
※声優の朴ろ美さんの「ろ」の漢字と、3巻11話92頁3コマ目の「装てん」の「てん」(土へんに眞)は環境依存文字のため、平仮名で表記しています。